2006 06 14  なかむら句会 最高得点句      
 師匠の最後の句 
  水無月を草書のごとく眠るなり   
                                                                       林のりゆき        
 聖路加国際病院   2006 06 15 午前2時57分心不全 永眠 67歳

万緑の精とたわむれ眠りをり
                                                                                藻川亭河童  .2006 06 15 追悼句 

叡の会 指導作品 2005 2/26 〜2006 5/27   さようなら 師匠。ほんとうに ありがとう。やすらかにお眠りください。
藻川亭河童 代表句 147句
0001万緑の精とたわむれ眠りをり   追悼句0002鼻濁音甘く響けりさくらんぼ        師匠特選0003遊蝶花風の匂ひを運びけり           
0004臥龍梅支える母の膝枕0005ひたすらにただひたすらに通夜の雪  師匠特選0006母恋いや月を離れぬ冬の星
0007枯蓮は痩せた教師のビオトープ 師匠特選0008綿入や夜汽車の汽笛袖に入る0009秋日和仁丹の香とすれ違う
0010聖職の模索の果てや鰯雲0011密々と心てふ実の袋掛け0012牛蛙鳴くな腕病む我なれば       師匠特選
0013雲の峰捨てし郷より公文書0014母の歳越えたる朝の新茶かな0015恍惚の風に這われて桜蘂
0016マシュマロの吐息のごとき彼岸入り0017バレンタイン義理のむかひに哀しき灯0018春寒や妻の寝汗を拭きおりぬ
0019雨水かな妻の背な押す茶碗坂0020間引き大根有難うと椀に入れ0021やさしさの眼で追わる浮かれ猫
0022春嵐へのへのもへじ子らの面0023麗らかや畳のへりを踏んでみる0024春暁やお絵描き帳の結露拭く
0025春陽射し黒目を写す川面かな0026葉桜の風透き通る肉桂飴0027桜蕊端に溜まりて離任式
0028逝く春や句帳に兼題残されて    追悼句0029三七日のレールの錆びや時計草0030故郷の仏間に母の単衣かな
0031くちなしの匂ひ拡がるみずぐるま0032夏蓬鉄路に声の残りいて0033惚れ直す妻の健啖冷やし汁
0034梅雨靄の彼方に母の樹を探す0035あおあおと母は銀河のほとりかな0036梅雨の晴れ娘の白衣メロン色
0037仕出屋の簀の子洗われ梅雨明ける0038あさがほのふらりと夜をただよえる0039羽の艶残りしままに蝉落ちる
0040短調に変調したり蝉時雨0041鎮魂の杜を離れし秋暑し0042黒板に白墨一線九月尽
0043教職を離れし月日野分聴く0044竜胆の蒼に染まりし指疼く0045髪切って十月の風透き通る
0046青栗や夢喰う獏になりきって0047教会や胸にバッハの秋響き0048秋寂びぬ友竹林の風となり       追悼句
0049欅紅葉の落日に佇ち無言0050新酒酌む昔野球少年なりし子と0051赤い靴一番線の冬陽かな
0052賞与薄し青ペンに黒継ぎ足して0053木枯が膝を狙ひて襲い来る0054傷痕を隠す小雪の微音かな
0055空耳の花いちもんめ犬ふぐり   師匠特選0056二ン月の波紋広げる小石かな0057ハンカチに雪片を受く通夜帰り
0058メタセコイアの骨ばかりなる彼岸寒0059菜の花や回転木馬の母に逢う0060鶺鴒の声の蒼さや芹の水
0061縁談のまとまる気配土筆和え0062分水嶺木霊を返す余寒かな0063蒲公英の方程式は解けぬまま
0064花回廊給食袋走り来る0065すみれ摘む指の先から電子音0066花菜畑迷路は西へ続きおり
0067憲法日サプリメントの媚薬めき0068遂道の闇一点の新樹光0069さくらんぼ舌技の妙は母ゆずり
0070新緑の渦の向こうの慕情かな0071ドクダミや母の教えのわかるころ0072虹の橋母には勾配けはしけり
0073パステルの虹の根っ子や智慧の光0074すききらいすききらいすき花鬼灯0075千代紙のがく剥がれ落つ濃紫陽花
0076梅雨靄の樹叡の彼方に師は逝けり0077淵蒼き鮎釣り舟に主なし0078光る川悠久の夏至の存在者
0079夏至といふ雀ちゅんちゅく白昼夢0080すききらいすききらいすきはなすみれ0081手裏剣も柔になりをり鉄線花
0082熊蝉や吾も明日は断末魔0083地べたさけ地獄のさたや冬の暁0084夢にさへ出てこぬ母のセージかな
0085濁り無き心まかせや香雪蘭0086裾濡らし母も銀河のほとりなり0087ふるさとは葉桜透かしその向かふ
0088萩の名の染み入る母の割烹着0089ふるさとの丘の十字架花の舞0090一節の唸り蒼きや冷奴
0091釣忍きみがうなじの染まりけり0092十劫の天女の衣や釣忍0093くちなしの匂ひ拡がる水車小屋
0094西日さす部屋に流るるかぐやひめ0095十六夜の我を諭せる母の声0096停車場の椅子に座りて鰯雲
0097杉木立背筋冷たく著莪の花0098橘の花や薫子たれの妻0099お袋の手拭い丸め蛍籠
0100インナーもハイジと替わりこどもの日0101恐ろしき胸の谷間やアッパッパ0102句作とはミロダリキリコあり地獄
0103湯上りや二年の梅酒胸染めり0104姫著莪の深き木立の影の揺れ0105菖蒲の葉乳首擦りて湯を撥ねり
0106切っ掛けを待つかの如く蝮酒0107骨きりの音しゃきしゃきと床涼み0108鞍馬出て川床に暫しの二人連れ
0109青春の道問ひゐたる梅酒かな0110竹の子や詰襟首に馴染むころ0111投げ出した四本の足に西日かな
0112夏の夜ミュールの客の気にかかり0113開墾や母としとせし茂りかな0114つる薔薇のみな空向きし二番咲き
0115校庭の端にボールや梅雨の朝0116羽根の艶残りしままに蝉落ちる0117菖蒲の葉湯気に乳房の浮かびけり
0118花林檎心てふ実の袋掛け0119女房の笑って虐むる暮の秋0120丑の日や伊予のリンダに接吻す
0121さりげなく刻の過ぎゆき無月なる0122用水の溢るる音の茂りかな0123月涼し丈山吟ず友ありき
0124うりへちまかぼちゃにきゅうり良き日哉0125朝涼や小径に女の匂ひ待つ0126孫去りて胸は虚ろに風の死す
0127我が桃は乾燥中なり投げキッス0128明星に染まりて消えし蝉時雨0129蝉消えてなにやら強し杜の影
0130木間暮に風笑ひたる生身霊0131万両の赤で割りたるロックかな0132朝飯や褞袍に垂るる乳房かな
0133どんど火やするめに背なの曲線美0134抱き逢ふて厳寒溶かす欅かな0135「蹴りよった?」胎に耳当て抱く寒夜
0136御節会の薬缶重たき女学生0137東雲や朱の色相なれ山冴ゆる0138誰が妻と神は納めり春着の娘
0139同胞の誰かれ逝きし寒椿0140寒椿ほたりほたりの鉄路かな0141ハイボールの泡に音する寒の入り
0142日向ぼこ影より逃げぬ意地っ張り0143ヘリ轟音地には震災鎮魂歌0144花ぬす人伊予のをんなの寒見舞
0145成人や御髪に色香も零れけり0146皸やメンタム弾く鍋磨0147お〜いお茶!抑揚変えし寒の雨